ファンクの森

バンジョーとかマンドリンに挑戦する男の日記。(※バンドマンではない)

マスグレ改造(3)

Fender Custom Shop製のMastergradeシリーズのストラトの改造をしてきましたが、現在着地点も定まらずに空中浮遊している状態です。

 

これまでの経緯

(1)ピックアップ以外のアッセンブリ交換

(2)配線材を再度交換(単線に変更)

  ペグをブラスポストのものに交換

 

ということで今回は、今までの改造であまりにもストラト「らしくない」音になってしまったものを、ストラトサウンドに戻していきたいと思います。

 

まず最も大きな問題と思われるのは単線の配線材です。

 

やはりストラトサウンドといえば撚り線なのだなぁと身に染みて思った(やる前からわかってたけどね)ので、撚り線を探します。

 

前回せっかく苦労しながら配線したポット類については、別のギターに流用してみようかと思うので、新たにポットとコンデンサを調達。

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結局またピックアップ以外の電装系パーツを全て交換です。

 

配線材は左上から右に向かって順に、

 

①詳細不明、7本撚り線AWG22、絶縁素材は内側=樹脂、外側=コットン(某ビンテージ配線材屋さんでウルトラギターワイヤーと称して売られているもの)

②1950年代ALPHA製、10本撚り線AWG20、絶縁素材は内側=絹、外側=コットン

③1930年代Western Electric製、7本撚り線AWG22、絶縁素材は内側=絹、外側=コットン。芯線にサビあり。

 

①は主にコールド線に使用。

②はポットからジャックへのホット線に使用。

③はセレクターからポットにかけての配線に使用。

 

ポットやコンデンサについても前回と同じものを買うのは癪だったので別のものを購入。元に戻すんちゃうんかい!

 

写真右下のポットはJim Dunlop製のSUPER POT POTENTIOMETER DSP250

写真左下のコンデンサJupiter製のRed Astron 0.05uF 600VDC

 

一応この儀式をしておきます…

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まあこれも誤差の範囲でしょうかね。

 

ハンダは前回使ったALPHA製のものとNASSAU製のものを併用。ALPHA製のハンダに特に不満はなかったけれど、せっかく買ったので、ジャック部分のみNASSAUのハンダを使ってみます。

相変わらず変更点が多すぎて何がどう音の変化に影響しているのか分かりそうもないアホなコンセプトの改造です。

 

▼とにかく組んでみたものがこれ。

ウルトラギターワイヤーとスーパーポットを使用しているので、これをウルトラスーパーアッセンブリと呼ぶこととします。

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ちなみに配線材③は錆びてるからか何か知りませんが全然ハンダがなじまず、ゲロゲロ。悪夢のようなハンダ付けでした…

スーパーポットは裏蓋の素材が特殊な素材なんでしょうか、とてもハンダにぬれやすかったです。その点、好印象。ただ「Dunlop」と誇らしげに書かれた文字をつたってハンダが変な形に「べしゃあ〜」と広がってしまうので、是非ともこの文字はなくしていただきたい。アイデンティティを否定して申し訳ないが。

 

 

さて、気になる音の方は、、、

 

じゃらーん

 

むむ!これはいい!

高域の伸びは美しく、ピッキングへの反応もリニア。いい感じの雑味もある!

不満があるとすれば、ほんの少し音が細く、ハーフトーンの際の煌びやかさはやや不足気味。

 

操作性に関して、スーパーポットは全くガタつきがなく、つくりの良さを感じます。トルクについては、CTSのカスタムタイプとビンテージタイプとの中間くらいでしょうか。カッチリしたトルクのカスタムタイプ、スルスル回るビンテージタイプに対して、スーパーポットはヌメーっと回る感じです。手が触れたくらいでは回らないけれど、力を入れずに回すことができる、割と絶妙なトルクだと思います。

ちなみにこのポットは700万回回しても壊れないようなので、私が今から100歳まで生きるとしたら、1日274回転させてやっと一生かけて壊せるか壊せないかというところです。ストラトのポットは3つあるので、822回転が1日当たりの最低ノルマです。(なんのこっちゃ)

 

ジュピター製のコンデンサは、前のセラミックコンデンサの0.1uFから0.05uFに容量が下がっているはずなのに、よく効くようになった印象です。「そこまで効く!?」というくらいトーンをモリモリ絞ることができます。

絞ってない時の音に関しては、コンデンサ以外も変えちゃったのでコンデンサ交換による音への影響は不明です。

 

さて、一応いい感じで音は整ったのですが、納得いかない点も、、、

③の配線材の芯線が錆びていることが気にかかるのと、ハンダがやりにくくてあまり美しい仕上がりにならなかったことが不満。超不満! あとなんか知らんがノイズが多くなった気がする。配線不良か?

 

▼ということで、今度は③の配線材を使った部分を②の配線材にかえてみました。

 

じゃじゃん!

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うん、精神衛生上こちらの方がいいですね。

 

音は、、、

若干音が太くなったものの、ピッキングへの反応は少し遅くなったか?もしかするとこの辺りの要素はトレードオフの関係なのかもしれない。

 

ただしノイズはやっぱりちょっと大きい気がする…

 

配線に関しては問題なさそうなので、他に問題がないか色々チェックしていってみる。

すると、ピックアップセレクターの金属部分を触った時にノイズが大きくなることに気づく。

セレクターがアースに落ちていない?」

 

普通ピックアップセレクターはピックガードに取り付けることで、金属部分がピックガードのアルミ箔等に触れ、アースに落ちるのですが、どうもそこがうまくいってない様子…

ということはピックガード裏のシールドプレートがアースに落ちていないということ…

ということはもしかして、、、

 

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むむ…お前が犯人じゃね?

よく見ると、このスーパーポット、裏蓋のつめがピックガード側に接触してないんですよね。

 

私はそんなに電気に詳しくないのであまり自信ありませんが、普通のポットってポット裏に繋がる金属部分がピックガードのシールドプレートと接触することでシールドプレートをアースに落とすんですよね?

 

▼ということで、どうにかしてポット裏とシールドプレートを接触させる方法を考えてみる。

たまたま今回新たに買った部品にポットアースラグなるものがあったので、それをポット裏と繋げてみる。本来の使い方と何だか違うような気がしますが、まあいいや。

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写真中央辺りに見える変なパーツがアースラグなるものです。ポット裏と繋がっています。

結果、ギターのノイズはおさまりました。やっぱり犯人はスーパーポットだったのかな、、、これって結構大きな問題だと思うのだけど、完全密閉型にするために仕方なくこんな仕様になってるのかしらん?

 

ポットの端子も一般的なポットのそれと比べて各端子が近いのでハンダづけしにくく、端子の形も明らかに金属疲労に対して弱そうな形でした。(端子を曲げてポット裏にハンダ付けしようとしたら端子が折れちゃったというような海外レビューもありましたが、なるほど実際折れそうです。)

スーパーポット。つくりのクオリティは高いし、総じて好印象ですが、デザインにおける改善の余地はあるのかなぁと感じました。

(「また買いたい」と思える商品なので、それだけに細かなところ改善してほしいなぁ)

 

話が脱線してしまいましたが、肝心の音はかなり元のマスターグレード本来の音に近づいてきたと思います。

ここまで、ペグはブラスポストのものをつけていたのですが、アタックの感じがどうも気に入らずデフォルトのものに戻しました。

そうすると、改造前の音にかなり近い!改造前に比べ、若干スッキリした音でちょっと没個性的な音のようにも思えるが、まあ許せるレベル、今回はこんなものかな…

 

でもまだ改造続きます。次回、第4回!