マスグレ改造(4)
Fender Custom Shop製のMastergradeシリーズのストラトの改造、おそらく今回最終回です。
これまでの経緯
(1)ピックアップ以外のアッセンブリ交換
(2)配線材を再度交換(単線に変更)
ペグをブラスポストのものに交換
(3)ピックアップ以外のアッセンブリを再度交換(配線材は撚り線に変更)
さて、前回ほぼ文句がない程度まで内部のアッセンブリを整えることができたので、今回は再び振動系パーツを変更します。巷で評判のよかったMONTREUX製のSaddle height screw set inch Stainless Oval Pointです。
いわゆるサドルのイモネジというやつです。(サドルの高さ調整するときに回すあのネジ)
計12本のイモネジ、お値段1500円也。
ちっちゃなネジ1本が100円以上…
ギターのパーツとして考えたら安いけど、ただのネジとして考えたら最高級ネジの部類に入ると思います。(もっと高いサドル用イモネジもある。自分でいうのもなんですが、「おかしな世界」です。)
このパーツですが、「oval」という名の通り、イモネジの先端が丸く処理されています。ビンテージのものはこういった形だったようですね。
これが現在ではネジの先端の真ん中が窪んだような形のイモネジが一般的なものとなっています。
【中央左】一般的なイモネジ
【中央右】ovalタイプのイモネジ
ね、違うでしょ?
え、違わないって?
よくみてください、違いますから。
さて、正直このパーツに関しては本当に音が変わるのか半信半疑でした。だって、ネジの先端の形が違うだけだよ。しかも別に弦と接してるパーツですらないし。
サドルを交換するとかなり音に変化があることは体験済みだけれど、イモネジについてはあまりにも小さいパーツであるが故に懐疑的。まあ、ちょっと音が変われば面白いかな程度の期待。
で早速換えてみる。
あれ?
お前、元々ovalタイプじゃね?
このギター、前オーナーが6弦のサドルのみ長いイモネジに変更していたのですが、私も弦高は高めのセッティングが好きなのでずっとそのままにしていました。
今回初めて取り外したのですが、これ、6弦のサドルだけovalタイプのものでした。気づかんかった…!
ちょうど、「交換して6弦のイモネジが短くなったら困るなぁ」と思っていたので渡りに船ということでそのまま活用させてもらいます。
1弦〜5弦のみイモネジ交換です。
ということで完成!
当たり前ですが、見た目は一緒です。
これを見て「イモネジかえた?」と気づける人は、彼女の髪の毛が1mmでも短くなっていれば「髪切った?」と気づけるに違いない。
さて、肝心の音は?
じゃら〜ん、じゃらじゃらじゃらじゃら〜ん
おぉ!結構違うやないかい!?
「高音域が大人しくなり、音の分離感が増す」との噂を聞いて買いましたが、その通りの印象です。
で、私は音はもちろん弾き心地にもナイーヴな人間なのですが…やはり弾き心地も変わります!
いや、これはなかなかどうして。
いいじゃないですか!
前の改造で若干味気ない音になったかなぁ、と感じていた音に独特の枯れ感が加わり(これは木の響きか?)、弾いていていい感じに楽しいギターになりました!(楽器全体がストレスなく響く感じもそれまでより若干増した気がする)
イモネジさん、疑ってごめんよ!
イモネジの名前の由来も知らないのに、語感からなんとなく脇役的な存在だと思っていてごめんよ!
このアタック感ならもしや、、、
前回、ペグをデフォルトのものに戻していたのですが、今回のイモネジとの相性が知りたかったので、再度ブラスポストのペグFS-STDに交換。
その結果…
おお!ブラスポストのペグのアタック感(私はちょっと苦手…)が気にならない。ただ少々高音域が引っ込みすぎかな?(高域が出ていないわけではなくしっかり出ているのだが、出ている帯域の加減なのか相対的にあまり目立たない)
オーバルタイプのイモネジにより高域が抑えられた上に、ブラスポストペグの中域寄りの音が相まって、過去一番マイルドな音に。
しかし、アンプのトレブルを上げるとこれが急にご機嫌な音に!
(家の練習用アンプJC-22ではいつもトレブル4、ミドル5、ベース2くらいのセッティングにしているのですが、トレブルを6くらいまで上げるといい感じ!)
これはイイ!
(私の思う)無駄な帯域が出ておらず、音は太く濃い。ピッキングへの反応もよく、高域もしっかり伸びる。美しく響きながら枯れ感もあり、弾いていて楽しい!(これ一番重要)
改造を施す前の音を基準にここまで改造を続けてきましたが、改造前の音とは違うもののとても満足のいく音になりました。しばらくはこのまま使います!
ということで、今回の改造のまとめ
たかがイモネジされどイモネジ。
それほどお金をかけずにギターをカスタマイズしたい方にはオススメです。イモネジにはインチ規格・ミリ規格のものがあるので、サイズにはくれぐれもご注意を。ギターパーツは見た目が全く同じに見えても1ミリ以下のレベルでの仕様違いが結構存在するので、要注意です。
ストラトの音がキンキンして困ってる人はブラスポストのペグとオーバルタイプのイモネジでかなりキンキンが緩和されるのではないかな?私のストラトは元々高域がキンキン出るタイプではなかったので、相当マイルドになりましたが、そうでなければちょうどいい塩梅になるかも?
今回ポットとセレクター交換に始まり、ストラトの改造をなし崩し的に続けてきましたが、ストラトの醍醐味って自分で気軽に改造できるところだと思うのです。
中でもペグ、サドル、トレモロスプリング、ネックプレートなどは比較的気軽に取り換えられるので是非試してみてはいかが?